社長メッセージ

亀野宙一

 自動車業界は、CASEやMaaSの動向による変化や、BEV・NEV化を受けて、これまでにない非常に重要な転換期となっています。また、新型コロナウィルスの影響も受けた人々の生活様式の変化やSDGs、中でもカーボンニュートラルへの取組み意識は益々高まり、輸送機器用ファブリックを主力とする弊社を取り巻く事業環境は大きく変化してきております。

 2010年の操業開始以来、創業の母体となったトヨタ紡織、川島織物セルコン、龍村美術織物の180年に至る歴史のある伝統の力、顧客のニーズを的確に掴み、デザイン・技術・営業が一体となって具現化するチーム・ワークの力で、多くの魅力的なファブリックを世界中のお客様に提供してまいりました。更に近年は最高級ヌバック調表皮であるBRIN・NAUB®や、拡大基調にある合成皮革の市場に対応したSILCREVE®など製品領域の多様化を図り、お客様の高評価をいただいております。

 またグローバル対応に於いては、今後の成長余地を考慮し、中国江蘇省に設立した、ファブリックの生産から裁断・シートカバー縫製までを一貫した事業として取り込める新工場で稼働を強化しています。加えて、インドの生産工場は、市場拡大に効果的に対応すべく、2020年にドイツの有力ファブリック・メーカーであるAUNDE社と合弁化いたしております。更にAUNDE社とは2021年に合意したグローバル業務提携を発展させつつあります。

 将来の変化を先読みし、シェアカーや自動運転車など未来の移動空間に向け、防汚・抗菌・抗ウイルス・除電などの機能薬剤や光の透過で情報表示を行うファブリックなどの開発にも取り組んでいます。またカーボンニュートラル対応に於いては、環境負荷低減の原材料使用に留まらず原材料の循環型リサイクルに対応した革新的モノ造りへ取り組み、幅広く皆様の生活の安全・快適に貢献していく所存です。

 お客様に心から喜んでいただける商品をお届けするため、今後も徹底的なコミュニケーションを図り社員全員が「一枚岩」となってたゆまぬ努力を続けてまいりますので、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長
亀野宙一